会長挨拶

会長 加藤 徹
 令和3年度より、伝統ある北村山地区歯科医師会の第17代会長を拝命しました、加藤 徹です。よろしくお願い致します。

新型コロナ感染症の蔓延により、私たちの生活は大変な変化を余儀なくされました。当初、歯科診療所は最もリスクが高い場所との報道が流れ、歯科の受診抑制と感染防護等の品不足が相まって、今後の歯科界がどうなってしまうのだろうと云う程の大きな不安に包まれました。そのような非常事態下での役員改選になりましたので、対面での話し合いの出来ない状態の中でも会の運営が滞る事がないよう、殆どの理事者に留任していただきました。会の事業は多くの制限がありましたが、会員各位のご協力により無事に遂行出来ましたことの心より感謝申しあげます。
 幸い、従前からの歯科の院内感染対策が功を奏し、歯科診療下でのクラスター発生の報告は未だ有りません。逆に、歯周治療や口腔ケアが感染予防に有効との報道や、某知事の「歯科には何かある」発言等によって、状況は幾分改善されて来ているのでは無いでしょうか?

 私が開業した三十数年前、歯科大学の増設に伴う歯科医師数の増加により歯科医師過剰が叫ばれるようになりました。また、う蝕の減少も相まって、十数年前には「ワーキングプア」とまで言われる職種になったことは記憶に新しいところです。
 今後は、従前の結果に対する処置(修復中心)から予防管理型の診療への転換、更には口腔の健康管理を通して全身の健康管理を担える診療システムの構築が望まれます。また、2025年を目処に施行される「地域包括ケアシステム」での多職種連携に乗り遅れる事なく積極的に参画していく事が望まれます。歯科医師会としてそのための研修や情報収集が求められていると思います。そして社会が求める結果(成果)が得られる事が重要です。そのことにより歯科の価値が高まり、社会から必要不可欠と思われる真の「エッセンシャルワーカー」と成り得ると思います。
 私たち歯科医療提供者にはコロナ禍というピンチをチャンスに変えていくパワーと実行力が求められています。正に「禍い転じて福となす」ために、北村山歯科医師会会員は一致団結してこの困難を乗り越えて行きましょう。
北歯会報 (2022年3月発行) の巻頭言より
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