学校におけるフッ素洗口
日本では砂糖の消費量が欧米に比べて少ないにもかかわらず虫歯が多い。この理由としてフッ素の利用の遅れが指摘されている。このページでは各種のフッ素の基本的知識とフッ素利用法について解説します。

フッ素とは? 自然の状態であらゆる食品や地球環境に存在する元素
歯の石灰化を促進し、脱灰を抑える。虫歯予防に有益な微量元素
フッ素の虫歯予防
の原理
再石灰化促進作用
(飲食の際に溶け出したカルシウムやリン酸を再沈着させる)
フルオロアパタイトの形成
(高濃度のフッ素が作用すると、フッ素イオンが歯の表面から取り込まれ、ヒドロキシアパタイトの水酸基と置換され、耐酸性のフルオロアパタイト結晶が形成される)
酸産生の抑制=脱灰の抑制
(歯垢中の細菌増殖の抑制+酵素の阻害)

フッ素洗口
種類 フッ化ナトリウム(NaF)
フッ素濃度 100〜900ppm
頻度 1日1回法〜週1回法
対象 4歳以上
効果 40〜60%の抑制効果
利点 予防効果が高い
集団応用ができる
安価
欠点 個人で行う場合継続が困難


フッ素の供給方法 家庭で=個人ベース:フッ素入り歯みがき剤、フッ素洗口(ミラノール等)
歯科医院で=フッ素塗布
集団で=学校など:フッ素洗口
集団におけるフッ素利用のポイント だれにでもできる、小さな努力で確かな効果
保護者への説明による理解と参加の意思表明
歯の萌出直前からの使用がよい→永久歯が生える前の4〜5歳時児から
フッ素による虫歯予防
プログラムの推奨
(日本口腔衛生学会、
1981)
1.フッ素は、歯の健康のために必要であり、歯の形成期および萌出後、さらに生涯を通じて有効である
2.歯科保健管理下で行われるフッ素のおうようは安全である
3.子供たちの虫歯予防のため、公衆衛生的な応用プログラムは効果的である
4.フッ素の応用は国際的に広く勧められている
フッ素利用を推奨する機関と団体 厚生労働省「乳児期における歯科保健指導の手引き」1990
世界保健機関(WHO)「フッ素と口腔保健」1994
日本口腔衛生学会「口腔保健のためのフッ素応用ガイドブック」
 1994


フッ素洗口の標準的方法
対象年齢 実施場所 標準的な方法 洗口時間 一人分液量 フッ素濃度 フッ化ナトリ
ウム濃度(%)
6〜15歳 学校 週1回法 1分間 10ml 900ppm 0.2%

学校歯科保健マニュアル(山形県・山形県教育委員会)他 より

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